腕だって使わなければ細くなるし、足だって歩かなければ弱くなる。
「足が太くなったら歩きます」と言って坐っていたら、一生歩けない。
食べると胃が痛むと言うが、痛むのは生きているから痛むのです。痛むようならその状態に応じて働くのです。
活元運動で(錐体)外路系を訓練しておけば、食べて痛くとも二、三回で、後は同じものを食べても痛くなくなってきて消化してしまう。
それくらいの痛みで逃げ回っているようでは丈夫にはならない。
適当に不摂生しなければ丈夫になりません。
動くことを嫌がったり、草臥れる(くたびれる)のを嫌がったり、寒いところへ行くのは嫌だと、寒暑不出で逃げ回っていたら弱くなるばかりです。
健康法などというものは人間の妄想が作りだしたものであって、豚だって猫だって健康法などない。しかし、丈夫に生きているのです。
健康法が要るのは余分な頭の働きを持っている人間の錯覚です。
昭和49年1月 野口晴哉より
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