手と心

　なる程、君の手は相手の体の構造を動かす力がある。

しかし、その手で女の手を握ると、赫(あか)くなる人もある。蒼くなる人もある。

この血行変化は君の手の力のせいでないことは確かだ。

しかし、こういうように相手の心に触れるように手というものを使わなくては、

相手の体を整えるはたらきは誘えないということはお判りになるだろう。

令和5年3月　月刊全生