(故)野口晴哉先生の「質問に答える」睡眠

 

二度寝

【問】

夜中の3時頃に間違い電話がかかってきて、目を覚ましたんですが、それでまた眠ってしまえば二度寝なんでしょうか?

【答え】

二度寝ですよ。熟睡している時は電話のベル位では目が覚めないのです。

午後の三時が弛緩の頂点ですね。午前の三時というのは緊張の頂点、だから普通ならその頃から目が覚めだしてくるのです。支那の仙人は三時をはさんで生気と死気の入れ替わる時期だと言っている。だから辛抱して無理に寝ないで起きて何かしていて、また眠りたくなったら寝たらいいでしょう。

 

【問】

二度寝の害というのは眠りの質を悪くするというのの他にまだございますか?

【答え】

たくさんございます。眠りの質の悪い人は体の修復が悪い。疲れやすくなり、疲れが抜けにくくなる。病気の治りも悪くなる。骨を治しても保たないのです。ただ、一度頭を緊(ひきし)めたら一週間つづけて二度寝しなければ何でもない。その代わり二週間つづけてキチンと起きないとそれが保たれない。だけど二度寝しても後頭部が硬く緊(しま)っていれば害はないのです。

八時間寝なくてはならないというのは、何も根拠がないのです。けれども八時間必要だという説には意外に信者が多い。

二度寝が悪いと言っても、一概に二度寝が悪いと考えるのも本当ではない。精神分裂症の人など、どんどん眠らせてゆくのは非常に良い方法です。こういうふうに眠らなくてはいけないというような規則はお作りにならない方がいい。要するに後頭部が弛んでいなければいいのです。

月刊全生 第七二八号より

豊島区巣鴨の『永井整体院』