体の自然を無視する生活
整体でない人達のなかには、病気がないのに病気になっている人もあるのです。また血圧が上がったらどうしよう、また熱が出たらどうしようと言っては、それに対する用心を重ねる。健康でありながら、病気になりはしないか、また毀(こわ)れはしないかという予防病とでもいうような状態を呈している。
糖尿病
人間の体には、体内の栄養が過剰になると、過剰分の栄養を捨てる働きがあるのです。体に必要でない程、栄養が体に溜まっていると毒素になるので過剰な栄養を捨てる、そういうのが健康な体である。そのために過剰な栄養を吸収する働きを止めてしまうのが、正常な体が最初にとる態度です。そういう過剰栄養は尿に糖分として出たり、蛋白として出たりする。
けれども、年を取ると、若い人と違って、次代を作る働きを持たなくなる。そうなると特に、そういう余分な栄養の吐け口がなくなる。それなのにセッセと食べる。その結果、尿から糖が出たり、蛋白が出たりするが、そういう場合も病気だと言って、蛋白を出さない、糖を出さない工夫ばかりしている。自分が余分に食べているのではないか、ということなど考えもしないで、体が悪いからだと思っていろいろな細工を加える。体にしてみれば、とんだ迷惑です。余分な物を食べるのを止(よ)してくれればいいのに、それをしないで糖や蛋白を出さない工夫ばかりして、せっかく余分な栄養を排泄するようにインシュリンの分泌を控えた体に対して、外からどんどんインシュリンを注ぎ込む。そうすると体はいよいよインシュリンの分泌を抑えねばならなくなる。そうしているうちに体の中のインシュリンを分泌する機能が怠(なま)けて、錆(さび)つき、いよいよ明瞭に糖尿病の体になってしまうのです。けれどもそれは、余分なことをした結果です。もう少し自分の体の持っている働きというものを知って、それによって生活してゆくことを考えるならば、体はあまり毀(こわ)れないですむのですが、そういう無理解な体の持ち主が実に多いので困るのです。
月刊全生 第七三〇号
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豊島区巣鴨の『永井整体院』でございます。