(故)野口晴哉先生の「対話」眉間の皺(しわ)

眉間に皺が寄る

人間の体は、不愉快なことがあると、縮まるのです。縮まると筋肉が緊張して、皺(しわ)が寄るのです。心の中になんらかで苦痛に感じるものがあると、眉間を縮めるので、普通、眉間の筋肉を「心痛筋」と言っております。そこでなにか不快なことがあって緊張すると、皺を寄せることが当たり前になってしまって、中には年を取ると三本の皺ができるものなのだと、習慣的に、眉間を縮めている人もあります。

四十年ぐらい前ですが、「肛門を縮めて、眉間の皺を開こうではないか」ということを提案した時代がございました。「自分で意識して拡げる。気がついたら、すぐ手で拡げればいい」と。肛門は、腰椎の四番、五番の緊張で縮んだり、開いたりしているのです。だから肛門を縮めると、体のたるみが集まってくるのです。

このように体の形が整うと心が自然に、そういう方向に向かって働きだす、皺を寄せていると、不愉快なことを多く考えたり、人と会ってもその人の不愉快な分子だけを見てしまうが、眉間が開いていると不愉快な人に会っても抵抗がない。感受性が快感の方向に向けば健康になるのは当然で、病気がいくつ重なっても、一人の人間のやっている病気なのですから、体が積極的になればよくなるに決まっている。少しも不思議ではないのです。

豊島区巣鴨の『永井整体院』