(故)野口晴哉先生の「質問に答える」睡眠3

頭寒足熱

【問】

電気毛布のように全体的に温まるものと、湯タンポのように部分的に温めるのでは違いますか?

【答え】

電気毛布も最近のは足の方が温まるようになっています。でもそれを長くつづけるというのはやはり・・・。昔から頭寒足熱というのは健康の基(もと)だけれども、自分の体の力の配分で頭寒足熱になるのでなくては本当でない。他動的に頭寒足熱に温めると、温まっているはずの足の方の血が、みんな頭に行くことは確かである。体の方では頭寒足熱になっていない。だから消す時期が問題です。眠りに入るためには便利です。

【問】

寒い時でも足袋(たび)とか靴下とかをはいて寝るのはいけないでしょうか?

【答え】

なぜ頭寒足熱というかと言えば結局、健康な人は足が温かい、体の弱い人は足が冷たい、そういうことで言われるので、それを形式的に、足をなるべく温かくしよう、頭は冷やそうということと、自分の体の力でそうなるということではまるで違ってくる。

頭寒足熱ということばが、いろいろの頭を冷やす方法を作ってきましたがそれは間違いです。風邪を引くというのも、寒いから風邪を引くのではないのです。風邪を引くと胸椎八番が縮んでくる。そうすると寒気を感じるのです。だからアベコベなんです。

 

 

どんなに良い養生法でも、ある時間のある人の、ある状態において良いのであって、誰でもいつでも良いとは言えないのです。

自由に生きたい。何も捉われることなく、自分の欲するように生きてゆくことが一番の健康の基だと思います。健康に生きるための武器を多くし、べし、べからずを多くするのは、自分の命を侮辱することに他ならないと思うのです。

月刊全生 第七二八号より

豊島区巣鴨の『永井整体院』